2025/12/02 平の沢池
令和7年12月の平の沢池 丹波霧に沈む静かな季節
亀岡は「霧のまち」と知られています。
今朝の平の沢池も、あたり一面がやわらかな霧に包まれていました。
午前11時を過ぎても景色は白い幕の向こう側。
池のほとりに立つと、向こう岸の木々の輪郭がぼんやりと溶けていきます。
亀岡の霧は「丹波霧」と呼ばれ、盆地特有の冷え込みによって夜のあいだに地面が冷やされ、空気中の水蒸気が一気に霧へと変わる現象です。
寒い季節ほど霧が深くなり、まるで池が静かに息をしているような、不思議な静けさを感じます。

水面には、旅を終えて戻ってきた渡り鳥のカモたちが群れをつくり、霧の中をゆっくりと漂っていました。
夏に鮮やかな花を咲かせた蓮池は、今は水が抜かれ、枯れた茎が土の上に立ち並んでいます。冬らしい素朴な景色ですが、季節の移ろいがよくわかる味わい深い眺めです。

静けさの中に季節の鼓動を感じられる、この時期ならではの平の沢池。
他の季節とはまた違う、ぜひ一度訪れてほしい冬景色です。